
― 汚染管理による長寿命化の技術アプローチ ―
1. 背景
潤滑油は石油由来製品であり、市場環境の影響を受ける資材です。そのため、交換前提の運用に加え、状態管理に基づく使用期間の最適化や再生利用による有効活用が重要視されています。
2. 現状
潤滑油の使用限界は、油の劣化、添加剤の消耗、潤滑油の汚染の3要因によって決定されます。潤滑油が使用限界に達して、潤滑油を更油する要因は、酸化劣化して酸価値が管理基準超えることは多くなく、潤滑油が外部から混入したコンタミナントにより汚染されて、ミリポア値が管理基準を超えたことを理由として更油が実施されているケースが大半です。潤滑油自身が酸化劣化して、酸価値が上昇した場合は、更油する必要がありますが、外部から混入したコンタミナントは、高性能ろ過機で除去すれば、更油時期の延長や再利用可能になります。
3. 課題
潤滑油の使用限界は、油の劣化、添加剤の消耗、そして汚染の3要因によって決定されます。
しかし現場においては、以下のような構造的課題が存在しています。
・水分や清浄度が管理基準を逸脱した時点で更油判断が行われている
・汚染の原因ではなく結果に対して対応している
・汚染が除去可能であるという認識が十分ではない
・数値管理の不確実性により、安全側(早期交換)に判断が偏る傾向がある
その結果、本来であれば継続使用可能な潤滑油が、汚染を理由に早期に廃棄されているケースが多く見受けられます。これは「汚染=交換」という単純化された判断に起因しており、潤滑油の本来価値を十分に活用できていない状態といえます。
4. 解決策
この課題に対しては、汚染要因と劣化要因を明確に切り分けたうえで、汚染に対しては除去技術を適用することが有効です。
具体的には、高精度フィルトレーションによる固形粒子の除去、水分除去技術の導入、さらに清浄度および水分の定量管理を組み合わせることで、油中の汚染物質を継続的に低減することが可能となります。これにより、オイルの再生的な運用が実現し、長期間の安定使用につながります。
5. 結論
潤滑油の更油は、その多くが劣化ではなく汚染に起因しており、汚染は適切な管理と技術により除去可能です。したがって、更油頻度の削減と長寿命化は十分に実現可能です。
今後は、潤滑油を単なる消耗品として扱うのではなく、「状態を管理しながら長く使い続ける資産」として捉えることが重要です。
RMFジャパンでは、清浄度計測、ろ過機によるオフラインフィルトレーション、水分管理技術を組み合わせた潤滑油管理の最適化支援を行っております。現状の更油判断の妥当性評価や削減可能性については、実測データに基づく検証が不可欠ですので、具体的な改善についてはぜひご相談ください。
■本技術資料の監修■
RMFジャパン株式会社 久藤樹
出光興産株式会社出身。技術士(総合管理部門、機械部門)資格を所有し、潤滑管理セミナー講師として多数登壇。著書に「基礎から学ぶ潤滑管理」(潤滑通信社)があり、潤滑管理技術の普及と現場改善に注力している。






