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オイルの保管-ベストプラクティス

2023.03.27

技術情報

潤滑管理はオイルの受入から始まっている

潤滑管理をトータルで推進するためには、機械システム回路中のオイルをキレイにするだけでなく、オイルがシステム内に入る前段階の受入から保管、さらにはタンクへの供給までの過程においても、きちんと管理しなくてはなりません。

作動油や潤滑油の多くは、消防法の危険物第四類の第三および第四石油類・可燃性液体類に分類されます。これらについては、消防法で定められた指定数量以上の貯蔵や取扱いは、市町村等の許可を受けた施設で、政令で定められた技術上の基準に則って行わなくてはなりません。施設内全てを合算して指定数量を超えた場合は、消防署や市区町村への届け出が必要となり、消防法の適用を受けて、消火設備の設置、種類・数量の届け出、管理者の選任、定期点検の実施などが求められます。

消防法の分類分類基準指定数量
第四類 特殊引火物


第四類 第一石油類
発火点が100℃以下、または引火点が
-20℃以下で沸点が40℃以上のもの

引火点が21℃未満
50L


非水溶性:200L、水溶性400L
ジエチルエーテル 二硫化炭素


ガソリン エタノール
第四類 アルコール類飽和一価アルコール(炭素数1~3)400Lメタノール エタノール
第四類 第二石油類引火点が21℃以上70℃未満非水溶性:1,000L、水溶性2,000L灯油 軽油
第四類 第三石油類引火点が70℃以上200℃未満非水溶性:2,000L、水溶性4,000LATF 重油 切削油
第四類 第四石油類引火点が200℃以上250℃未満6,000Lエンジン油 ギア油
動植物油類動物の脂肉等または植物の種子や
果肉から抽出した物質
10,000Lゴマ油 オリーブ油
在庫量

基本的に1週間分の使用量を目安とします。ドラム缶などのパッケージでなく、バルクのような大容量の貯蔵タンクを使用している場合は、タンク下限の65%を発注点の目安としてください。

油種の統一

在庫管理の簡素化の為にも、用途が同じ油種はなるべく統一する、また粘度グレードはISO粘度グレードのみを使用して、こちらもできるだけ統一するように留意しましょう。

保管場所と保管方法

温度差による容器の呼吸が原因である水分混入を防止するため、低湿度の屋内で保管することが望ましいです。特にペール缶は、密閉性が比較的低いので、必ず屋内に保管しましょう。ドラム缶についても同様ですが、やむを得ず屋外に保管する場合は、地面に直接置かず、横積みにて間に板を入れて2段までとし、口金を水平に保つように置きます。立てて保管する場合は、下に角材などを入れて口金と平行になるように傾けて置きましょう。

横積みの場合

・地面に直接置かない

・間に板を入れる

・積み上げるのは2段まで

・口金を水平にする

縦積みの場合

・下に角材を入れて傾ける

・口金と平行にする

・ドラム缶カバーをする

配置

古いものから先に出すことや取り間違いを防ぐためにも、油種別に分かりやすく整理整頓して並べましょう。荷札を置いたり、品名表示がある印字を手前にして置くなど、ちょっとした工夫が大切です。

保管容器

異なる油種を混合させるとトラブルになることがあるので、必ず専用容器を用意するか、完全に洗浄し共洗いしたものを用いましょう。また開栓・開缶後はコンタミが入らないよう、密閉するか密閉できる容器に移し替えて使用しましょう。

[ オイル移送コンテナ ]

オイル移送中に、オイルを清潔で乾燥した状態に保ち、クリーンなオイルの充填を可能にします。

注ぎ口も、長さや先端サイズ・色など多くのラインナップがある為、漏斗も不要で、管理や用途に合わせたカスタマイズが可能です。

保管中の水分対策

開けてしまったドラム缶の水分対策として、乾燥剤付きエアブリーザ―を設置することは非常に有効です。例え屋内で保管していたとしても、湿度として大気中に含まれる水分が、温度変化により水滴化することでオイルに混入しています。見落とされがちなポイントですが、しっかりと対策を講じることで、オイルの劣化を防ぐことができます。

タンクへの供給時の対策

例えオイルを適切に保管していたとしても、実際に機械システムのタンクに供給する際にコンタミが混入してしまうというリスクは低くありません。オイルをフィルタカートでフラッシングしてから供給するか、ドラムフィルタカートで缶ごと移動させてからフラッシングしながら供給すること等が、コンタミ混入への対策となります。また、既にドラムキャリーをご使用の場合は、ドラムトッパーを上に設置するだけで、キレイなオイルの供給が実現可能となります。

・フィルタカート

小型~中型タンクのフラッシングに最適です。可搬性に優れ、複数のアプリケーションで使用できるため、費用対効果の高いソリューションであると言えます。

・ドラムフィルタカート

ドラム缶の移送だけでなく、供給前のオイルの保護からフラッシングまでをカバーします。乾燥剤付きのアダプターキットで、水分混入を防いだ上での供給が可能です。

・ドラムトッパー

コンパクトな為、どこにでも持ち運び可能です。ドラム缶から直接オイルをフラッシングしたり、新規や修理したシステムのフラッシングや、オフラインの2次濾過に使用するなど、高い汎用性があります。ドラム缶に乗せるだけで、手軽にコンタミ対策が実現します。

トータルで行ってこその潤滑管理

「潤滑管理」と聞くと、システム回路中のオイル清浄度ばかりに目が行きがちですが、実際にはシステムに入る前から、オイルをきちんと管理しなくてはならないことをご理解頂けたと思います。システム内に入ってしまったコンタミには、フィルターで除去するという対策が必須となりますが、まずはシステムに侵入させないという対策から始めることが重要です。

「新油はキレイ」という先入観、またオイルの保管時にはオイル清浄度が悪化するとは思えない、管理が面倒だということから、正しく取り扱われていないケースがまだまだ多く見受けられます。同様に、保管していたオイルの清浄度を気にせず、そのまま機械システムに供給してしまっていることがほとんどではないでしょうか。

コンタミを持ち込まないことで、機械やオイルの延命だけでなく、各種フィルタの寿命にも寄与する為、メンテナンスコストの削減に大きく貢献します。

潤滑管理をトータルで行うには、関係部署・部門が協力する必要があります。そのためには、正しい知識を持ち一環して推進活動を展開していかなければ、本質的な潤滑管理は達成することができません。

RMFジャパンは、オイルの清浄度改善だけでなく、潤滑管理を含めたお客様のアプリケーションに最適なソリューションをご提案させて頂きますので、お困りのことがあれば是非ご相談ください。

潤滑技術資料

・  プロアクティブ保全の要

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